- 2010-11-28
- [14カ国目 ペルー]クスコ
クスコからバスで約40分、ピサックの木曜市へ。
ピサックはとても小さな村だが、週に3回市が立つ。
到着してみると、市場は細やかな刺繍を施した衣装に身を包んだインディヘナの人々でごった返していた。
一着のスカート、一個の帽子を仕上げるのに、一体どれくらいの時間がかかるのか想像もできない。
それらの一張羅は、タンスの奥底に仕舞われることなく、普段着として日常を彩る。
食料品や日用品を売るスペースを抜けると、観光客向けの民芸品の露店がずらりと並んでいる。
こちらは人通りもまばらで、たまに観光客とすれ違う程度。
やっぱり市場は賑やかな方がいいので、はじめの場所に戻ってみると、人ごみに紛れ、ニコニコしながら市場の写真を撮っている男性が目に入った。
その写真の撮り方が気になって、その人の撮った写真を見てみたいなと思っていると、ご飯の時に一緒になった。
地元の人で混んでいる屋台で順番待ちをしていると、同じく順番待ちをしていたその男性が声をかけてきたのだ。
彼はフランス人で、名前はダマンさん。
新聞社に旅の記事や写真を執筆・投稿しているという。
どうりで写真の撮り方が違うと思った。
日本にも行った事があるらしく、意気投合して食後に一緒に遺跡を見にいくことになった。
タクシーをチャーターして山の上へ。
クスコ周辺の遺跡を巡れる周遊入場券を購入して遺跡の中へ。
ガイドブックでの扱われ方も小さかったし、全く期待していなかったのだけど、遺跡は予想外に大きかった。
タクシーの運転手さんと、2時間半後に山の中腹の駐車場で待ち合わせることを約束し、山道を歩いていく。
ガイドブックには「ミニマチュピチュ」と書かれていたので、マチュピチュもこんなところなのかなと想像してみる。
途中、整然と整備された段々畑や、精巧なインカの石組みにインカ文明の高度さを実感。
遺跡にはトイレも残っていた。
山水が常に流れるようになっている水洗トイレ。
機能的だ。
ダマンさんは、イースター島でバイクを運転中、景色に見とれていたところ車と正面衝突したそうで、2日前まで歩けなかったという。
足の傷が癒えていないため、階段を降りるたびに苦しそうな表情を浮かべる。
それでも「あんな大事故だったのに、怪我だけですんだなんて、僕はラッキーだ」と言っていて、なんだかすごい人だと思った。
ガイドを付けると想像する前に正解を言われてしまうので、個人で見て回るのが好きだという。
遺跡を前にするとダマンさんに「あれは何に使われていたと思う?」と質問される。
小さな部屋に分かれていないから住居ではないだろう、棚のような穴がたくさんあいているから何かを飾っていたのかな…。
そうやって、考古学者気分で謎解きをする。
こんな遺跡の楽しみ方、今までしたことがなかった。
すぐに正解を知ろうとしないで、考えてみるといろんな発見があった。
遺跡では小学生グループと一緒になり、一緒に写真を撮ったりしてわいわいする。
ダマンさんが「この遺跡を見てどう思う?」と小学生に聞いてみると、その中の一人がこう答えた。
「悲しい。スペイン人が来て、インカの人々の建物を壊してしまった」
その人のバックグラウンドや、どのような歴史教育を受けてきたかによって、同じものを見ても違う感じ方をするのだと改めて感じた一言だ。
30分遅れで集合場所に戻ると、運転手さんがあぜ道に入って高山病に効くと言いながらミントの葉を摘んでくれた。
車内で爽やかな香りに包まれながら、山を降りる。
ダマンさんとクスコ行きのミニバスに乗り込み、帰り道、ひたすら「旅とは何か」について話し合う。
そのうち「生きるとは何か」にまで話が及び、結論は持ち越し。
ダマンさんとは今後の旅程が似ているので、また会うことになりそうだ。
ありさ
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